レストア - スピードメーター

ラベル : レストア
レストアの記録を部位・要素毎に順不同で書いています。

目次

レストア前の状態


ボロボロのヘッドライトに埋め込まれたスピードメーターだが状態は悪くないように見える。
少しの汚れとヘッドライトを塗装した際についた白い塗料くらいしかダメージは見当たらない。


しかしスピードメーターワイヤーは切れておりきっと絶対サビサビなはず。
メーターの機構を覆う樹脂も割れている。
とりあえずはずしてみる。

写真の電線類はヘッドライト関連のもので、メーターに電気的機構は一切ない。

取りはずし


ヘッドライトケースの内側からグッと押すとメーターがはずれる。

車体装着時にメーターをはずすには、ヘッドライトの前面をはずしてスピードメーターケーブルをはずしたのちメーターを押し出せばよいはず。


無事にはずれたスピードメーター。
50km/hまでの目盛りが描かれている。
距離計はついていない。
NIPPON SEIKIの印字あり。


筒状の透明な樹脂で上面から側面にかけておおわれており、ケーブル接続面の金属の端をくわえる様に樹脂が曲げられることでユニット全体を封止している。
外殻の樹脂と内部の機構部を分解整備することは考慮されていない構造。
しかしまあ、ばらしてオーバーホールせねばなるまい。

金属との接点あたりの外殻樹脂が部分的に破砕している。
ここも埋めなければなるまい。


スピードメーターケーブル接続部はサビが詰まっている。
固着寸前程度には可動だけど、どんな形状のワイヤーが刺さるのかわからないレベル。

分解

外殻と機構の分離


外殻の封止部分をはんだごてで溶かして嵌合を無効化する。

100均300円30Wのはんだごてだけどほんとによく働く。

ちなみにケーブル接続部脇の2本のネジはこの分解には無関係。
内部の機構部分とメーターケーブル接続部を締結するためのもの。


機構と殻の分離完了。


タイコ型の金属部分に磁石が仕込まれており、スピードメーターケーブル内のワイヤーが回転すると一緒に回転する磁石に引っ張られつつゼンマイバネの抵抗を受けながらメーターの針が動く仕組みのようだ。
ワイヤーの回転が止まるとバネの力でゆっくりと針が戻る。


文字盤をよく見ると30km/h~50km/hの間の針先部分は赤く色がついていたように見える。
退色していて気付かなかったが再塗装してみることにした。

文字盤の取りはずし・塗装


文字盤をはずすには針をはずす必要があるが、針を付け直すときにどの角度が正しいのかわからないと困るので記録しておく。

針に0km/hの針止め棒を跨がせてから静止状態を保つ。
針がバネが伸び切った位置で止まるので、それを記録しておく。
NIPPON SEIKI の ”O”のあたりで止まった。


針は引っ張るとたやすく抜けた。
ネジ2本をはずすと文字盤がとれる。

赤く塗るラインの内径と外径を計って、マスキングテープを赤ラインの形に切り抜く。
100均のコンパスカッターが役に立つ。


切り抜き済みのマスキングテープを文字盤に張る。
ぴったり。

文字盤に張ってから切り抜こうとしてはいけないと思う。


塗装部分以外をすべてマスクして赤いラッカーを吹いた。
もちろん100均のラッカー。


きれいに塗れた。

清掃


機構部分はバラすと取り返しがつかなくなる恐れがあるのでバラさない。
つまようじやら粘着テープやらで丁寧にゴミや汚れを掃除した。


外殻の白い塗料の付着はコリコリと削り取った。


きれいになった。


ケーブル接続部も一生懸命掃除してサビを除去した。
一般的な角型端のワイヤーが刺さることがわかった。

組み立て

針の取り付け


取り外しの際に記録していた位置を静止状態で指すように針をつける。


針止めの棒を跨がせて0㎞/h指示位置に戻す。

注油


潤滑油をどうするかちょっと悩んだ。
グリスではなく機械油的なものが塗布されていたようだけど手元になかったので、似たようなものとしてチェーンルブを注しておいた。

再封止1


一番の山場となりそうな再封止作業。
割れて欠けた外殻樹脂を溶着で盛って間隙をふさいで再封止する。

ヘッドライトケースを補修する際に使ったポリプロピレンハンガー(100均)を溶接棒とすることにした。


はんだごてで隙間を埋めて金属板端を覆い、封止完了。

きれいにできた。


試しにヘッドライトカバーにはめてみた。
パチンとはまると同時に、くっつけたポリプロピレンがぽろりとはがれた。


あ~あ。


あ~あ~あ~。

樹脂の溶着は相性がすごく重要と学んだ。

再封止2


透明な樹脂ならポリカーボネイトかポリエチレンが普通らしいので、どちらとも相性がいいポリカーボネイトを使うことにした。

ちょうどヘッドライトレンズの溶着に使うために買ってあった。
もちろん100均。


先の作業でグサグサになった外殻の端を盛りなおす。

ポリカーボネイトはポリプロピレンより粘っこく伸びるので多少やりづらいがくっつき感が良くて安心する。


外殻に機構を収めてから封止。
作業完了。

注意

外殻とヘッドライトケースにはかみ合うように凹凸が刻まれているので、メーターの取り付け角度は定められている。
メーター機構部をそれに合わせた角度で外殻に収めないと盤面が傾いたスピードメーターになるので注意。

完成


きれいになった。

メーターケーブル接続部をぐるぐる回してみたら針がぴくぴくしたので、まあ動作はすると思う。
検証は実走時まで待つことになる。

おまけ


本田宗一郎ものづくり伝承館に展示されているリトルホンダのスピードメーター。
外縁の形と色が違ったり文字盤のデザインも違ったり、なによりMAX30km/hだったりして似てるけど別物の模様。

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