検死

目次


車両としては死んでいるこの車体の状況を検分してゆく。

フロントホイール

車輪は回る。ブレーキは効かない。というかブレーキレバーがない。
ついているモケモケはまさか純正品ではなかろう。


タイヤは空気抜けを起こしてはいない。
だけどなんだこのベロベロ。どうしたらリムバンドがはみ出す状況になるのだろう。


タイヤは純正品のようだ。ということは50年近く前のものということか。
ヒビヒビだけどよく形を保ったままでいるなあ。


「NITTO 87」「THE NITTO TIRE CO.,LTD」と記されている。
1987年製?履き替えたってことか。
それにしたって35年物ってことになる。


「2.00-17 2-PLY RATING」。
タイヤサイズは2.00-17。
カブより細い。


ホイールはサビサビ。


正面から見るとタイヤがゆがんでついている。
タイヤ自体はゆがんでないがフロントサスがどうにかなっている模様。

ハンドルまわり


ホーン。動作するのか不明だけど完全な形で残っているのはありがたい。


左右ウインカーはバルブとレンズがない。
右ウインカーは結束バンドでぶら下げてある。ミラーと共締めみたいだがミラーがないのでこうなっているのか。


ヘッドライト。なぜかうなだれている。
うなだれているせいでこの車体の終わった感がかもし出されている。


ヘッドライトについている点灯スイッチは小気味よく動作する。


ヘッドライト上面のスピードメーターは動作するかどうかわからない。
アウターだけになったメーターケーブルがハンドルに結びつけてある状態では試しようがない。


ヘッドライトがうなだれている理由判明。
ハンドル上部にヘッドライトボディ基部をネジ留めされる構造なのだが、ボディが樹脂製で基部がもげてしまってヘッドライト全体が脱落しているわけだ。
それを結束バンドでぶら下げているのでうなだれていると。


ハンドル左グリップ。
ブレーキレバーがない。
アクセルは一応ひねることはできる。

スピードメーターワイヤーのアウターだけが結んである。
残せるものは残しておこうという姿勢には好感が持てる。


ハンドル右グリップ。
ブレーキレバーがない。
ミラーもない。


ウインカースイッチ。ノブがない。
ホーンボタンの弾力はある。


チョークノブ。
なんかむりやりくくりつけてある。
これは本来どこにつくのだろう。
というかこれ純正品なのか?


デコンプレバー。左グリップ内側についている。
固着はしてないけどデコンプバルブ側が固着しているので動作しない。


ブレーキのストップランプスイッチが左ブレーキ、すなわちリアブレーキにしかついてない。
もともとそういう仕様みたいだ。


ノビオの車体番号はヘッドチューブの右側、ホーンの裏あたりに刻印されている。
納車前、書類を出してもらうのに車体番号が必要なので所在をネットで苦労して探した。


ハンドルロックキー。
納車前には鍵なしとのことだったので身構えたけど、鍵ついてるじゃん。
電線が出ているので全体の通電も管理しているみたい。


ちゃんと回った。

ガソリンタンク


キャップは開く。
キャップにながーい樹脂の棒がついてる。燃料残量を計るためのものか。


タンクからは変なにおいがする。これがガソリンが腐ったにおいってやつか。

タンク内は錆びてるけど地金が見えているのは吉兆だ。


タンク両サイドにはホンダのロゴ。


タンク下部には電線やらワイヤーやらがうねっているが状態の検証はしようがない。

エンジン

見えてるところだけ見てみる。


デコンプバルブはサビサビ。固着している。
プラグはB6HSがついている。


サビサビ。


楕円形の物体はマフラー。
マフラーガードがついているはずだがなくなっている。
予備に購入したマフラーについているから転用しよう。

ペダルまわり


右ペダル。
ペダルクランクはコッタピンで固定するタイプ。
プジョー ヴォーグではコッタピンには苦労させられているので警戒してしまう。


左ペダル。

ペダルまわりがフローラルにフルカバーされているのはモデルチェンジ後の仕様。
なのでこの車体は1974年8月発売のノビオ後期型、形式名 PM50 K1 であることがわかる。

しかしだっさいよなあこのガラ。一周回って素敵。


ペダルクランクの基部、自転車/バイク切替機構。

「TURN ON」「PUSH OFF」とあるが何がONされてOFFされるのだろうか。
そして今の状態はONなのかOFFなのか。
さっぱり訳が分からない。


「TURN ON でボタンが戻らない時はペダルを回して下さい」
とあるが今の状態はボタンが戻っているのかへこんでいるのかがわからない。


TURN ONのスリットにはハンドルロックキーが挿さる。
が、びくともしない。
今はあきらめよう。


ペダルはガジガジだがかろうじて回転する。


左ペダル上部に燃料コック。
固着はしていない。


ペダルの下あたりにセンタースタンド。サイドスタンドはない仕様。

シートまわり


自転車のようにシートの高さが調整できるはず。


この車体の最大の欠品。シートがない。
シートの土台だけはある。


シート取付基部のヒンジは可動する。


シートの土台左側は工具入れらしい。
樹脂の蓋と中の工具は欠品。


シート後ろ側にはバッテリーと2ストオイル注入口。
ガソリン入れるときに一緒にオイルも入れる混合給油だと思ってたけど分離給油なのか。


バッテリーから謎の無結線が出てたけど、バッテリーを通電させないよう措置していたってことか。

リアキャリアまわり


リアキャリア。サビサビ。
開口部が腐食で変形しているところがあるのが少し憂鬱。


リアキャリアの下にはオイルタンク。


油でギトギトしている。
なんかまだオイル入ってるっぽい。


ギトギトはリアフェンダーにも及ぶ。
まあ錆じゃなければ掃除すれば済む。


リアランプ、リアウインカー、ナンバーステー。
ウインカー4個のなかで1個だけレンズがついている。代替品を探すうえで非常にありがたい。

そして左リアウインカーはボディの金属が崩壊している。ありがたくない。

チェーンまわり


自転車のチェーンとバイクのチェーンの二本立て。
右側は自転車側チェーン。規格も自転車用の細いもの。


左スイングアームには味のある型式表示。


スイングアーム基部近くから伸びるリアサス。
ちょっと変わったレイアウトのような気がする。

錆はひどくないように見えるけど固着してるっぽい。


左側はバイク側チェーン。
ピンピンに張っている。


リアブレーキワイヤー。
ワイヤーが固着しているのかブレーキが固着しているのかわからないけど動かない。

リアホイール


フェンダーは前後ともに樹脂製。紫外線でヒビヒビだけどまだしっかりしてる。


リアホイールもサビサビ。


リアタイヤも空気を保っている。
リアもフロントと同じく当時モノがついている。
サイズも2.00-17で同じ。パターンも同じ。前後同じタイヤがついている。

そして後輪は全く動かない。
車輪が回らなければ自転車にも慣れない。車両と呼べない状態だ。

動画では動いてたのになあ。
売主さんも、ある時突然動かなくなったって言ってたし。

今後の展望

まず後輪が回らない原因を探ろう。

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